ザクロの木の寿命と育て方を解説！庭木にすると縁起が悪いのか？

ザクロの木は、適切な環境で育てれば50年以上、時には100年以上も生きる生命力の強い樹木です。

しかし、正しい育て方を知らないと、花が咲かなかったり、実がならないこともあります。

この記事では、ザクロの木の寿命、寿命を延ばす育て方、庭木としての適性、何年で実がなるのか、そして苗木のおすすめの品種と選び方まで詳しく解説します。

また、「ザクロは庭木にすると縁起が悪い」という噂の真相についても徹底検証。

ザクロを健康に育て、毎年美しい花と美味しい実を楽しみたい方は、ぜひ最後まで読んでください。

ザクロの木の寿命と知っておきたい栽培の全て

ザクロの木の寿命はどのくらい？

ザクロの木は、とても長生きする果物の木として知られています。

良い環境でしっかりとお世話をすれば、100年を超えることもあります。

一般的には数十年から100年程度と言われることが多いですが、中には200年以上生きることもあるようです。

特に、乾燥した地域や日当たりの良い場所でよく育ち、痩せた土地でも元気に育つほど強い木です。

長生きさせるためのポイント

ザクロの木を長生きさせるためには、下記のようなお世話が大切です。

• 日当たりと土: 日当たりの良い場所が好きで、水はけの良い土で育てましょう。
• 水やり: 若い木のうちは定期的に水をあげますが、大きくなると乾燥に強くなるので、少なめの水でも大丈夫です。
• 剪定（せんてい）: 毎年冬にいらない枝を切って、風通しを良くすると、病気や虫の予防になります。
• 病害虫対策: 元気な木は病気や虫に強いですが、アブラムシやカイガラムシなどがついたら、早めに対処しましょう。

ザクロの歴史と使い道

ザクロは昔から「たくさん実がなること」や「生命力」の象徴とされ、多くの国や地域で大切にされてきました。

実は食べるだけでなく、ジュースやお薬、染め物にも使われてきました。

また、見た目もきれいなので、庭の木や盆栽としても人気があります。

ザクロの木は、良い環境としっかりとしたお世話があれば、100年以上生きることもある、とても長生きな果物の木です。

その生命力と色々な使い道があることから、昔から今まで、たくさんの人々に愛されています。

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ザクロは何年で実がなる？

ザクロの木に初めて実がなるまでには、だいたい3年から5年くらいかかります。

早い種類だと2年くらいで実がなることもありますが、これは特別な育て方をした場合だけです。

また、小さいザクロの木（矮性品種）だと、2年から3年で小さな実をつけることがあります。

実がたくさんなるのは、木が成長してからの10年から15年くらいの間です。

その後も、ちゃんとお世話（特に枝を切る作業）を続けていれば、実の数は減ってしまうこともありますが、長い間実をつけ続けることができます。

ただし、育てる場所の環境が良くないと、実がなるのが遅くなることがあります。

例えば、日があまり当たらない場所や、雨が多い場所、夏にとても暑くなる場所などでは、木が弱ってしまい、花や実が落ちやすくなることがあります。

そのため、自分の住んでいる地域に合った種類のザクロを選ぶことが大切です。

実をたくさんつけるための注意点

• 人工授粉: 虫が少ない場所では、人が代わりに受粉のお手伝いをしてあげると良いです。やわらかい筆や綿棒で花粉を別の花につけてあげましょう。
• 実が落ちてしまうとき: 花が咲いても、最初のうちに実が落ちてしまうことがあります。これは、受粉がうまくいかなかったり、水が足りなかったりすることが原因で起こることが多いです。
• 上手なお世話: 肥料をあげすぎないようにして、日がよく当たる場所で育ててあげると、木が元気になって、実がたくさんなりやすくなります。

ザクロは庭木として植えても大丈夫？縁起悪い？

ザクロの木は、庭に植えるのに向いている木で、縁起が悪いというよりはむしろ良い意味合いを持つことが多いです。

昔から、ザクロの赤い実は「たくさんの実がなること」や「子宝に恵まれること」のシンボルとされていて、いろいろな国や宗教で大切にされてきました。

真っ赤な実や果汁の色から、怖いイメージを持つ人もいるかもしれませんが、不吉とされる根拠はほとんどありません。

風水でも、赤い実は悪いものを追い払ったり、良いことがたくさん起こるように願う意味があると言われていて、ザクロの木は良い運気を運んでくると考えられています。

ただ、庭のどこに植えるか、どのように植えるかによっては、良くない結果になることもあるので、場所はよく考えて選びましょう。

庭にザクロを植えると、秋に葉っぱがたくさん落ちるので、お掃除は少し大変かもしれません。

しかし、ザクロの木は成長がゆっくりめなので、そんなに大きくならないように育てることもできますし、お手入れもしやすいのが良いところです。

日当たりと風通しの良い場所に植えて、枝が広がりすぎないように切ってあげると、元気に育ちます。

ザクロの木の育て方の基本

ザクロの木を植えるのに良い時期は、葉っぱが落ちている冬の間（12月から2月くらい）です。

苗木がしっかり根を張れるように、根っこの周りの土（根鉢）の2倍くらいの大きさの穴を掘って、堆肥（たいひ）や腐葉土（ふようど）を混ぜて土を良くしてあげましょう。

日当たりの良い場所を選ぶのが大切です。

水はけが悪い土の場合は、腐葉土やピートモス、川砂などを混ぜると良いでしょう。

庭に植えた場合は、根っこがしっかり生えた後は、雨の水だけで育つことが多いです。

しかし、植えたばかりの時や、夏にとても乾燥する時期には、水をあげてください。

肥料は、春（3月）と秋（10月）に、ゆっくり効く有機肥料や、すぐに効く肥料をあげると、木が元気に育ちやすくなります。

土作りと肥料選びのポイント

• 庭の土が硬いときは、川砂や腐葉土を混ぜて、水はけを良くしましょう。
• 定期的に肥料をあげることで、実がおいしくなります。
• 有機肥料は、植物性のものを選ぶと使いやすく、リン酸やカリウムがたくさん入っているものがおすすめです。

ザクロの栽培は鉢植えでもできる？注意点を解説

ザクロは、庭がなくても鉢植えで育てて楽しむことができます。

ただし、根っこが鉢の中でいっぱいになりやすい（根詰まり）ので、定期的に大きめの鉢に植え替えることが大切です。

最初は5号～6号くらいの鉢から始めて、2年ごとに少しずつ大きな鉢に植え替えていき、最終的には10号以上の鉢を使うのがおすすめです。

鉢植えの場合は、土が乾燥しやすいので、土の表面が乾いたら、鉢の底から水が流れ出るくらいたっぷりと水をあげましょう。

また、水をあげすぎると根っこが腐ってしまうことがあるので注意してください。

木が大きくなるにつれて根っこも伸びるので、少し大きめの鉢を使うと安心です。

鉢の底に鉢底石や軽石を敷いて水はけを良くし、強い風で倒れないように支柱を立ててあげると良いでしょう。

鉢植えならではのメリットとデメリット

• メリット:
  • 移動が簡単なので、寒い地域では冬に家の中に入れることができます。
  • 狭い場所でも育てやすく、ベランダなどでも育てられます。
• デメリット:
  • 水やりや植え替えのお世話が少し大変です。
  • 庭に植えた場合に比べて、実の数が少なくなることがあります。

ザクロの木の剪定方法

ザクロの木の剪定（せんてい：枝を切ること）は、冬の葉っぱが落ちている時期（12月～2月）が一番良い時期です。

この時期は木が休眠しているので、枝を切っても木への負担が少なくてすみます。

内側に向かって伸びている枝や、絡み合っている枝を切ってあげると、風通しが良くなって、病気になりにくくなります。

また、実がなる枝は残して、勢いだけが強くてあまり実がつかない枝（徒長枝：とちょうし）は早めに切りましょう。

夏（6月～7月頃）にも少しだけ枝を切ることがありますが、これは枝の先の方を整えるくらいにしておきます。

切りすぎると花が咲かなくなってしまうことがあるので、注意が必要です。

上手にお手入れをすれば、次の年の花や実の数がぐんと増えます。

剪定するときのチェックリスト

• 枯れている枝や病気になっている枝を一番最初に切る。
• 交差している枝は、どちらか片方を根元から切る。
• 実がなる部分を間違って切らないように気をつける。

ザクロの花が咲かない原因と対策

ザクロの花が咲かない一番の原因は、日当たり不足が挙げられます。

ザクロは、1日に6時間から8時間以上、日が当たることが必要な植物で、日照時間が短いと花芽（はなめ：花になる芽）ができにくくなります。

鉢植えの場合は、置く場所を変えるだけで良くなることがありますが、庭に植えている場合は、周りの邪魔なものを取り除くなどの工夫が必要です。

肥料のあげすぎ、特に窒素（ちっそ）が多い場合も、葉っぱばかりが茂って花が咲かなくなることがあります。

その場合は、カリウムやリン酸を多く含む肥料を、バランスよく使うと、花芽ができやすくなります。

しかし、肥料をあげすぎると根っこを傷めてしまうことがあるので、決められた量を守ることが大切です。

さらに、枝を切りすぎることも花が咲かなくなる原因になります。

ザクロの花芽は、前の年に伸びた枝にできるので、剪定するときは、花芽がついている枝を見分けて残すようにしましょう。

日当たりと肥料のバランス、この2つに気をつけると、ザクロの花がたくさん咲くようになりますよ。

こんなときは要チェック

• 1日の日照時間が5時間より短い。
• 肥料のバランスが悪くて、葉っぱだけが増えている。
• 枝を切りすぎて、花芽がない。

ザクロの木に実がならないときの原因

ザクロの木に実がならない主な原因は、受粉がうまくいっていないことと、土の水のやりすぎや乾燥のしすぎが挙げられます。

花が咲いても、ちゃんと受粉しないと実が育ちません。

ザクロは自分の花粉で受粉できますが、虫が花粉を運んでくれると、もっと実がなりやすくなります。

ですから、虫が少ない場所では、人が代わりに受粉のお手伝い（人工授粉）をすると良いでしょう。

筆や綿棒を使って、雄しべの花粉を雌しべにつけてあげます。

それでも受粉がうまくいかないと、花が落ちてしまうことがよくあります。

それから、水はけが悪い土や、カラカラに乾燥した土も良くありません。

ザクロは、水はけの良い土が好きですが、乾燥しすぎると根っこが弱って、実をつける力がなくなってしまいます。

反対に、水をあげすぎると根っこが腐ってしまうので、水のやり方はとても大切です。

土の水分をちょうど良く保つために、マルチング（土の表面を覆うこと）やドリップ灌漑（少しずつ水をあげる方法）を使うと良いでしょう。

実をたくさんつけたい場合は、受粉の環境と、土の水分をどのように管理するかを見直すことが、まず最初にやることです。

よくある対策

• 虫が好きな花（ラベンダーやバジルなど）を周りに植える。
• 人が代わりに受粉のお手伝いをする（筆や綿棒で花粉をつける）。
• 土がカラカラに乾かないように、マルチングやドリップ灌漑をやってみる。

ザクロの木の病害虫対策

ザクロの木には、アブラムシやカイガラムシといった虫がつきやすいです。

これらの虫は、木の汁を吸って木を弱らせてしまい、さらに「すす病」という病気の原因にもなるので、早く見つけて退治することが大切です。

それから、灰色かび病、炭疽病（たんそびょう）、褐斑病（かっぱんびょう）といった病気にも気をつけましょう。

これらの病気は、ジメジメした場所で起こりやすいので、風通しを良くすることが予防になります。

虫を見つけたら、すぐに薬を使うか手で取り除いて、周りをきれいにしておきましょう。

自然のものを使って育てたい場合（有機栽培）は、ニームオイル（植物から作った虫よけ成分）を使うと、虫を寄せ付けなかったり、虫が増えるのを抑えたりすることができます。

また、お店で売っている殺虫スプレー（例えば、ベニカXファインなど）を使うと、いろいろな種類の虫に対応できます。

しかし、薬を使うときは、使い方や量をちゃんと守って、周りの環境にも気を配りましょう。

病気や害虫への主な対処法

• 病気になった葉っぱや枝は、燃やすか、しっかり閉じて捨てましょう。
• 症状が軽いときは、お店で売っている家庭用の農薬スプレーで対処できます。
• 土を良くして、根っこの負担を減らし、木全体を元気に保ちましょう。
• 風通しを良くするために、こまめに枝を切って整理しましょう。

ザクロの苗木のおすすめの品種と選び方

ザクロの苗木を選ぶとき、実をたくさん食べたいのか、それともきれいな花を楽しみたいのかによって、おすすめの種類が変わってきます。

苗木を買うときは、次のことに気をつけましょう。

• 根っこが白くて、しっかりしていること。
• 葉っぱが青々としていて、病気や虫がついていないこと。
• 接ぎ木（つぎき）の部分がグラグラしていないこと。

インターネット通販でも苗木は買えますが、実際に見て品質を確かめられないことがあるので、信頼できるお店や農家さんから買うのがおすすめです。

大実日本甘ザクロ

日本の気候に合った、育てやすい品種です。

実は大きくて甘みが強く、酸味は少なめ。

そのまま食べるのに向いています。

家庭菜園でも人気があります。

日当たりが良く、水はけの良い土で育てると、たくさん実がなります。比較的寒さにも強いです。

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カリフォルニアザクロ

アメリカのカリフォルニア州でたくさん育てられている種類です。

実は大きくて、甘みと酸味のバランスが良いのが特徴です。

実の皮が割れにくく、見た目もきれいなので、お店で売るための栽培にも向いています。

暖かい場所を好むので、日本では暖かい地域で育てるのに向いています。

冬は寒さ対策が必要なこともあります。

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ヒメザクロ

小さくてかわいいザクロの木です。

木の高さは60cmから1.5mくらいにしかならないので、鉢植えや、せまい場所で育てるのに向いています。

6月から9月ごろに、朱赤色の小さな花を咲かせます。

花には、一重咲きと八重咲きがあり、見て楽しむために人気があります。

実は、姫リンゴくらいの大きさ（直径3～4cm）で、食べることもできますが、あまり甘くありません。

主に、花と実を両方楽しむために育てられています。

盆栽としても人気です。

八重ザクロ

八重の花びらが豪華で、とても華やかなザクロです。

花の色は、朱赤色や赤橙色で、庭の木や、見て楽しむために広く育てられています。

この種類は実がならないので、花を楽しむためのザクロです。

庭や公園に植えると、とてもきれいですよ。

目的別におすすめの品種一覧

目的	品種名	特徴
実を食べる	大実日本甘ザクロ	日本の気候に合い、育てやすく甘みが強い
実を食べる	カリフォルニアザクロ	大実で果汁が多く甘みと酸味のバランスが良い
花を観賞する	ヒメザクロ	小さな木で鉢植え向き、朱赤色の小さな花が咲く
花を観賞する	八重ザクロ	八重の豪華な花が咲き、実はならない

ザクロの木の寿命と育て方「まとめ」

最後にこの記事の重要ポイントをまとめます。

• ザクロの木の寿命は50～100年ほどで、適切な環境なら100年以上生きる
• ザクロは3～5年で実をつけるが、品種や環境によって差がある
• 庭木として人気があり、風水的にも縁起が良いとされる
• ザクロの木は日当たりと水はけの良い土壌でよく育つ
• 植え付けの適期は冬（12月～2月）で、根鉢の2倍の穴を掘るとよい
• 鉢植えでも育てられるが、根詰まりを防ぐため定期的な植え替えが必要
• 剪定は冬に行い、風通しをよくすることで病害虫予防につながる
• 日照不足や肥料のバランスが悪いと花が咲かなくなることがある
• 受粉がうまくいかないと実がならないため、人工授粉が効果的
• 病害虫としてアブラムシやカイガラムシがつきやすく、早期対策が重要
• 品種によって育てやすさや実の味が異なるため、目的に合った苗を選ぶ

ザクロの木は長寿で、適切な環境を整えれば100年以上楽しめます。

日当たりと水はけの良い場所で育て、剪定や病害虫対策を行うことがポイントです。

鉢植えや庭植えのどちらでも育てられ、品種によって成長スピードや実の味が変わるため、目的に合った苗を選びましょう。

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