小さな体と愛らしい仕草で人気の文鳥。
でも、「文鳥を飼うと後悔するかも?」そんな不安を感じていませんか?
実は、文鳥を飼うデメリットを知らずにお迎えすると、思わぬトラブルに悩まされることもあります。
この記事では、文鳥を飼うときに知っておきたいデメリットをわかりやすくまとめました。
事前にリスクを理解することで、後悔のない文鳥との暮らしをスタートできます。
少しでも気になる方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

- 文鳥を飼う際に直面する具体的なデメリットを理解できる
- 文鳥の飼育にかかる費用や毎日の世話の手間を把握できる
- 文鳥との暮らしに必要な心構えと長期的な責任を学べる
- デメリットを軽減する工夫や対策方法を知ることができる
文鳥を飼うデメリットとは?事前に知っておきたいこと
- 意外と大きい?鳴き声の問題
- 初期費用と毎月の維持費は?
- 毎日の掃除や世話は大変?
- 必ずしも懐くとは限らない?
- 病気になりやすい?動物病院のこと
- こまめな温度管理が必要
- 放鳥の時間と安全確保は必須
- 旅行や外出がしにくくなる?
- 寿命は?長期的な責任が伴う
意外と大きい?鳴き声の問題


文鳥を飼う上で、意外なデメリットとなりうるのが「鳴き声」の大きさです。
小さな体からは想像しにくいかもしれませんが、文鳥は驚くほど大きく、よく通る声で鳴くことがあります。
特に、飼い主さんを呼ぶときの「呼び鳴き」は、甲高い声で響き渡ることがあります。
静かな環境を好む方や、アパート・マンションなどの集合住宅にお住まいの場合、この鳴き声が騒音問題につながる可能性も考えておく必要があります。
オスはメスへのアピールなどで「さえずり」と呼ばれる美しい歌を歌いますが、これも声量が大きい場合があります。
メスも、寂しい時や何かを要求する時、危険を感じた時などには大きな声で鳴きます。
特に朝方や夕方、飼い主さんの姿が見えなくなった時に頻繁に鳴く傾向が見られます。
これは文鳥なりのコミュニケーション方法なのですが、人の生活リズムや住んでいる環境によっては、大きなストレスに感じてしまうかもしれません。
鳴き声を完全にコントロールするのは難しく、飼い主さんの悩みの種になることもあります。
飼育を始める前に、可能であれば実際の文鳥の鳴き声を聞いてみて、ご自身やご家族が許容できる範囲かどうかを確認しておくと安心です。
ケージの置き場所を工夫したり、呼び鳴きに対してむやみに反応しないようにしたりすることで、ある程度改善できる場合もあります。



初期費用と毎月の維持費は?
文鳥との暮らしを始めるにあたって、初期費用だけでなく、毎月継続的にかかる維持費もデメリットとして考えておく必要があります。
これらは、文鳥が健康で快適に暮らすために必要不可欠なものです。
初期費用:お迎えの準備
文鳥そのものの価格は数千円から1万円程度が一般的ですが、それ以外にも揃えなければならないものがたくさんあります。
- ケージ(鳥かご)
- 餌入れ、水入れ
- 止まり木
- 保温器具(ヒーターなど)
- 温度計・湿度計
- 移動用のキャリーケース
- おもちゃ など
これらの飼育用品を一通り揃えるために、合計で1万円~3万円程度、選ぶものによってはそれ以上かかることもあります。
毎月の維持費:日々の暮らしのために
お迎えした後も、毎月費用がかかります。
- 主食(シードやペレット)
- 副食(青菜、ボレー粉など)
- ケージの敷材(新聞紙やペットシーツ)
- おもちゃなどの消耗品
これらの合計で、月々数百円から千数百円程度を見込んでおくと良いでしょう。
さらに、特に冬場の保温に必要な電気代も忘れてはいけません。
見落としがちな費用:万が一の備え
最も重要で、かつ高額になりがちなのが、病気やケガをした際の動物病院での治療費です。
鳥を専門的に診てくれる病院は限られており、ペット保険の適用も難しい場合が多いため、治療費は全額自己負担となります。
簡単な診察でも数千円、手術や入院となると数万円から数十万円かかることもあります。
このため、毎月数千円程度を「文鳥貯金」として積み立てておくことを強くおすすめします。
文鳥の平均寿命は7~10年と長いため、これらの費用が10年以上にわたって続く可能性を理解し、経済的な責任を負えるかしっかり考えましょう。



毎日の掃除や世話は大変?


文鳥と暮らすということは、毎日のお世話と掃除が欠かせないということです。
これを「大変だ」と感じる方もいるかもしれません。
毎日の基本的なお世話
文鳥のお世話自体は、それほど複雑ではありません。主に以下の内容を毎日行うことになります。
- 餌の交換: 古い餌を取り除き、新しい餌を補充します。
- 水の交換: 毎日新鮮な水に取り替えます。水入れや水浴び容器は、ぬめりが出ないようにこまめに洗いましょう。
- 簡単なケージ掃除: ケージの底に敷いている敷材(新聞紙やペットシーツなど)を取り替えます。止まり木などについたフンも拭き取ります。
これらのお世話を怠ると、不衛生な環境から文鳥が病気になってしまう可能性があります。
朝、文鳥が起きる前に行うなど、日々のルーティンにしてしまえば、10分程度で終わる作業かもしれません。
しかし、「毎日必ず続ける」という継続性が、負担に感じる可能性があります。
掃除の手間:ケージ周りも意外と汚れる
基本的なお世話に加えて、文鳥特有の「汚れ」への対応も必要になります。
- 餌の殻や食べこぼし: 食事の際に、ケージ周りに餌の殻などを撒き散らすことがあります。
- フン: ケージの外にフンを飛ばしてしまうこともあります。
- 水浴び: 水浴びでケージ周りに水が飛び散ることがあります。
- 換羽(かんう)期の羽や脂粉(しふん): 羽が生え変わる時期には、抜けた羽やフケのような白い粉(脂粉)が舞い散ります。
こうしたことから、ケージ周りだけでなく、部屋全体の掃除の頻度も以前より増える可能性があります。
特に掃除が苦手な方や、忙しくてなかなか時間が取れない方にとっては、この点が大きな負担となるでしょう。
また、ケージ本体も定期的に分解して水洗いするなど、少し手間のかかるメンテナンスも必要になります。



必ずしも懐くとは限らない?
「手乗り文鳥」という言葉があるように、文鳥は人によく懐くイメージがあるかもしれません。
しかし、必ずしも全ての文鳥が、飼い主さんの期待通りに懐いてくれるとは限らない、という点は理解しておく必要があります。
文鳥にも、人間と同じように一羽一羽に個性があり、性格も様々です。
- 雛の頃から育てられた場合: 人の手で育てられた文鳥は、人を親のように思い、懐きやすい傾向があります。
- 個体差: とはいえ、中には警戒心が強かったり、臆病だったり、あまり人に構われたくない独立心の強い性格の子もいます。
また、飼い主さんとの関わり方も、懐き具合に影響します。
- 無理強いはNG: 無理に触ろうとしたり、追いかけ回したり、大きな音で驚かせたりすると、人を怖がるようになってしまうことがあります。
懐き方にも色々なパターンがあります。
- 手には乗るけれど、撫でられるのは嫌がる子
- 特定の人にだけ懐いて、他の人には警戒する子
- ケージから出るのをあまり好まない子
インターネットやSNSなどで見かけるような、「飼い主さんにべったり甘える理想の手乗り文鳥」を強くイメージしていると、もし自分の文鳥がそうならなかった場合に、がっかりしてしまうかもしれません。
大切なのは、その子の個性を受け入れてあげることです。
無理に理想の形を押し付けず、文鳥のペースに合わせて、その子なりの距離感で優しく接していくことが、信頼関係を築く上で重要になります。
たとえベタベタに懐かなくても、愛情を持って接していれば、きっと心は通じ合えるはずです。



病気になりやすい?動物病院のこと
文鳥は体が小さいため、環境の変化やストレスに弱く、病気に対する抵抗力もそれほど強くありません。
そのため、体調を崩しやすいデリケートな生き物だということを知っておく必要があります。
病気のリスク:早期発見がカギ
鳥は、自然界では他の動物に捕食される側の生き物です。
そのため、体調が悪くても、ぎりぎりまで元気なふりをして弱みを見せない習性があります。
この習性が、飼育下では問題となることがあります。
飼い主さんが「なんだか様子がおかしいな」と気づいた時には、すでに病気がかなり進行してしまっているケースが多いのです。
小さな体では、わずかな体調不良が命に関わることも少なくありません。
文鳥がかかりやすい病気には、以下のようなものがあります。
- 呼吸器系の病気(風邪、肺炎など)
- 消化器系のトラブル(下痢、食欲不振など)
- 栄養不足による病気
- 卵詰まり(メスの場合) など
これらの病気のサインを見逃さないためには、毎日文鳥の様子をよく観察することが非常に重要です。
- フンの状態はいつもと変わりないか
- 羽毛が膨らんでいたり、汚れたりしていないか
- 元気がない、じっとしている時間が増えていないか
- 食欲はあるか
- 呼吸がおかしくないか
- 体重が急に減っていないか
こうした変化にいち早く気づくことが、早期治療につながります。
動物病院の問題:探すのも一苦労
もう一つの大きな課題が、鳥を専門的に診察できる動物病院が少ないことです。
犬や猫を診てくれる病院はたくさんあっても、鳥類の専門的な知識や設備を持つ病院は限られています。
そのため、文鳥をお迎えする前に、必ず自宅から通える範囲に鳥を診てくれる病院があるかを確認しておきましょう。
できれば、複数の病院をリストアップしておくと、いざという時に慌てずに済みます。
鳥の診察や治療は専門性が高いため、費用も犬や猫に比べて高額になる傾向があります。
簡単な検査や薬の処方でも数千円、入院や手術が必要になると数万円以上かかることも珍しくありません。
日頃から、もしもの時のための備えをしておくことが大切です。



こまめな温度管理が必要


文鳥は、温度の変化にとても敏感な生き物です。
そのため、一年を通して、文鳥が快適に過ごせる温度を保ってあげる必要があり、これが飼育の手間の一つとなります。
文鳥の故郷はインドネシアなどの暖かい地域です。
日本の四季、特に冬の寒さには弱いため、飼い主さんが温度管理をしっかり行う必要があります。
文鳥にとって快適な温度は、一般的に摂氏20度~25度程度と言われています。
特に注意したいのは、急激な温度変化です。
例えば、日中は暖房で暖かいけれど、夜間に急に冷え込むといった環境は、文鳥の体調を崩す大きな原因になります。
冬場の対策:保温は必須
冬場は、ペット用のヒーターを使ってケージ周りを暖めることが必須です。
- ヒーターの設置: ケージ全体を暖めるタイプや、止まり木タイプなどがあります。文鳥が直接触れて火傷しないように注意が必要です。
- サーモスタットの活用: 設定した温度になると自動で電源のオン・オフをしてくれるサーモスタットを使うと、温度を一定に保ちやすくなります。
- ケージの置き場所: 窓際やドアの近くなど、冷たい風が当たる場所は避けましょう。
- ケージカバー: 夜間など、ケージにカバーをかけると保温効果が高まります。
夏場の対策:暑さにも注意
夏の猛暑も文鳥にとっては危険です。
室温が30度を超えるような環境は、熱中症のリスクを高めます。
- エアコンの活用: エアコンを使って室温を管理するのが効果的です。ただし、冷たい風が文鳥に直接当たらないように注意しましょう。
- 直射日光を避ける: ケージを置く場所は、直射日光が当たらない風通しの良い場所を選びましょう。
常にケージの近くに温度計・湿度計を設置し、適切な温度が保たれているかを確認する習慣をつけることが大切です。
このように、文鳥の飼育には温度管理という手間がかかり、ヒーターなどの設備費用や電気代も必要になります。
この管理を怠ると、文鳥の健康に直接影響してしまうため、飼い主さんの重要な責任の一つと言えます。



放鳥の時間と安全確保は必須
文鳥の心と体の健康のためには、毎日ケージの外に出して自由に運動させる「放鳥(ほうちょう)」の時間が必要不可欠です。
しかし、放鳥中は事故が起こりやすく、安全を確保するための注意と手間がかかる点がデメリットと言えます。
放鳥のメリット:運動とコミュニケーション
放鳥は、文鳥にとって以下のような大切な意味を持ちます。
- 運動不足の解消: ケージの中だけでは十分に体を動かせません。飛ぶことで筋力を維持し、肥満を防ぎます。
- ストレス解消: 自由に飛び回ることで、気分転換になりストレスを発散できます。
- 飼い主との絆: 一緒に遊んだり、飼い主さんのそばで過ごしたりすることで、信頼関係が深まります。
放鳥時間の目安は、1日に最低でも30分~1時間程度と言われています。
放鳥時の注意点:危険がいっぱい!
ただケージから出せば良いというわけではありません。
好奇心旺盛な文鳥は、部屋の中で思わぬ危険に遭遇する可能性があります。
放鳥中の事故を防ぐための安全確保は、飼い主さんの非常に重要な責任です。
【考えられる主な危険】
- 窓や壁への衝突: 特に透明な窓ガラスは認識できずにぶつかってしまうことがあります。
- 逃走: 開いている窓やドアから外へ逃げてしまう事故は後を絶ちません。
- 火傷: キッチンでの調理中の鍋やフライパン、熱い飲み物などに近づいてしまう危険があります。
- 感電: 電気コードをかじってしまうことがあります。
- 誤飲・誤食: 人間の食べ物、観葉植物、小さなアクセサリーなど、口にしてはいけないものを食べてしまう危険があります。
- 水濡れ: トイレや水槽、花瓶の水などに落ちてしまうことがあります。
- 圧迫: ドアに挟まれたり、人に踏まれたりする事故も起こりえます。
- 他のペット: 犬や猫などがいる場合、襲われてしまう危険があります。
【安全対策のポイント】
- 戸締りの徹底: 放鳥前には必ず窓やドアが閉まっているか確認します。
- 危険物の片付け: 文鳥が口にしそうなもの、熱いもの、倒れやすいものなどは片付けます。
- 電気コードの保護: コードカバーを付けるなどして、かじられないようにします。
- 常に目を離さない: 放鳥中は、絶対に文鳥から目を離さず、何をしているかを見守ります。
このように、安全な放鳥環境を整え、事故を未然に防ぐためには、手間と時間、そして飼い主さんの集中力が求められます。
忙しい毎日の中で、これを負担に感じることもあるかもしれません。



旅行や外出がしにくくなる?


文鳥は毎日のお世話が必要なため、飼い主さんは以前のように気軽に長期間家を空けたり、泊りがけで旅行したりすることが難しくなります。
これは、ライフスタイルによっては大きなデメリットと感じられるでしょう。
文鳥はデリケートな生き物なので、犬や猫のように数日間お留守番させることは基本的にできません。
- 毎日の餌と水の交換
- ケージの掃除
- 適切な温度管理
これらは、一日も欠かすことができません。
そのため、飼い主さんが一泊以上家を空ける場合には、必ず誰かに世話をお願いするか、ペットホテルなどに預ける必要が出てきます。
しかし、これが想像以上に大変な場合があります。
- 頼める人がいない: 鳥の飼育経験があり、信頼して任せられる友人や知人を見つけるのは簡単ではないかもしれません。
- ペットシッター: 鳥の扱いに慣れているペットシッターさんは、まだ少ないのが現状です。
- ペットホテル: 鳥を預かってくれるペットホテルも、犬猫に比べて数が限られています。また、慣れない環境に預けられることが、文鳥にとって大きなストレスになる可能性も考えなければなりません。
結果として、文鳥を飼い始めると、泊りがけの旅行や出張、長時間の外出などには、事前の準備や周到な計画が必要になり、気軽に出かけることが難しくなる可能性があります。
旅行が好きだったり、出張が多かったりする方にとっては、このライフスタイルの制約は、特に大きな負担となるでしょう。



寿命は?長期的な責任が伴う
文鳥は小さな鳥ですが、その寿命は決して短くありません。
平均寿命は7~10年程度と言われていますが、飼育環境や個体差によっては15年以上生きることもあります。
これは、飼い主さんにとって非常に長期間にわたるお世話の責任を意味します。
文鳥を家族としてお迎えするということは、その小さな命を最後まで預かるという、重い責任を負うことです。
十数年という長い時間を共に過ごす可能性のある、大切なパートナーとなります。
ライフステージの変化への対応
この長い期間の間には、飼い主さん自身のライフステージが変化することも十分に考えられます。
- 進学や就職: 新しい生活環境でも、変わらずお世話を続けられますか?
- 結婚や出産: 家族が増えても、文鳥との時間を確保できますか?
- 転居: 引っ越し先はペット(鳥)の飼育が可能な物件ですか?転居後も動物病院は見つかりますか?
将来、ご自身の生活がどのように変化するかを想像し、どんな状況になっても文鳥の世話を最後まで続けられるか、長期的な視点で考えることが非常に重要です。
老鳥介護の可能性
人間と同じように、文鳥も年をとれば、若い頃とは違ってきます。
- 病気にかかりやすくなる: 体力が落ち、様々な病気のリスクが高まります。
- 介護が必要になることも: 目が見えにくくなったり、脚が弱くなったりして、日常生活でサポートが必要になる場合もあります。ケージのバリアフリー化や、特別な食事の準備などが必要になるかもしれません。
最期まで愛情を持って、変化していく文鳥に寄り添い、お世話をする覚悟があるか、ご自身の心に問いかけてみてください。
安易な気持ちで飼い始めて、「思ったより大変だった」「懐かなかった」「引っ越し先で飼えない」といった理由で飼育を途中で放棄してしまうことは、絶対にあってはなりません。
毎日のお世話、かかる費用、鳴き声の問題、病気のリスク、外出の制約など、これまで見てきた様々なデメリットが、文鳥の寿命と同じく10年以上にわたって続く可能性があることの重みをしっかりと受け止め、後悔しないための心構えを持つことが大切です。



文鳥を飼うデメリットを理解した上で考えること
- デメリットだけじゃない!文鳥の魅力
- デメリットを軽減する工夫とは?
- 後悔しないための心構え
- 初心者におすすめの飼育グッズ
デメリットだけじゃない!文鳥の魅力


これまで文鳥を飼う上での大変な面に焦点を当ててきましたが、もちろん、それを補って余りあるほどの、たくさんの魅力があります。
文鳥は賢く、感情豊かで、飼い主さんによく懐く、素晴らしいパートナーになってくれる可能性を秘めた鳥です。
見た目の美しさ:小さな宝石
まず、その洗練された美しい見た目に心を奪われる人は少なくありません。
- つややかな羽毛
- 鮮やかなピンク色のくちばしと目の周りの縁取り(アイリング)
- 桜文鳥、白文鳥、シナモン文鳥など、豊富なカラーバリエーション
ちょこんと佇んでいるだけでも絵になり、まるで小さな宝石のようです。
その可愛らしい姿を見ているだけで、心が癒されると感じる方も多いでしょう。
賢さと懐きやすさ:心を通わせる喜び
文鳥は非常に賢い鳥です。
人の言葉や行動をよく観察していて、飼い主さんの声を聞き分けたり、名前を呼ぶと返事をしたり、そばに寄ってきたりすることもあります。
特に、雛の頃から人の手で大切に育てられた「手乗り文鳥」は、飼い主さんを親のように慕い、特別な信頼関係を築くことができます。
- 手や肩に乗って甘える
- 指先で遊ぶ
- 後をついて回る
こうした行動は、日々の暮らしにたくさんの笑顔と温かい気持ちをもたらしてくれます。
豊かな感情表現とさえずり:飽きない毎日
小さい体ながら、感情表現がとても豊かなのも文鳥の魅力です。
- 嬉しい時にはぴょんぴょん跳ねたり
- 拗ねてそっぽを向いたり
- 怒ってクチバシで軽く噛んでみたり(本気で噛むと痛いですが…)
その時々の気持ちが仕草や表情によく表れ、見ているだけで飽きることがありません。
また、オスの文鳥は、求愛の時や機嫌が良い時に「さえずり」と呼ばれる複雑で美しい歌を歌います。
その澄んだ歌声に、心が和む瞬間も多いでしょう。
これまで見てきた大変な点を理解した上で、それでもなお、これらの文鳥が持つ魅力に強く惹かれるのであれば、文鳥はきっとあなたの人生を豊かにしてくれる、素晴らしい家族の一員となってくれるはずです。
大変なことがあるからこそ、ふとした瞬間に見せる文鳥の愛らしさや、築き上げた絆が、より一層尊く感じられるのかもしれません。



デメリットを軽減する工夫とは?
文鳥を飼う上で直面する可能性のある大変な面(デメリット)は、事前の準備や知識、そして日々のちょっとした工夫によって、ある程度軽くすることができます。
すべてを完全になくすことは難しいかもしれませんが、一つひとつに対して前向きに対処法を考えることで、飼育のハードルを少し下げることができるはずです。
【具体的な工夫の例】
- 鳴き声: ケージに防音効果のあるアクリルケースやカバーを使ったり、置き場所を工夫したりします。呼び鳴きには、静かになったタイミングで応えるようにしつけを試みることもできます。
- 費用: 初期費用や毎月の維持費を把握し、家計に組み込みましょう。万が一の病気に備えて、毎月少しずつでも「文鳥貯金」をしておくと安心です。
- 毎日の世話: 餌やりや掃除の時間を決めて習慣化したり、家族がいる場合は協力して分担したりしましょう。掃除がしやすいようにケージ内のレイアウトを工夫するのも良い方法です。
- 懐き方: 個体差があることを理解し、「絶対に手乗りにならないとダメ」と過度な期待をしないことが大切です。焦らず、無理強いせず、その子のペースに合わせてゆっくり信頼関係を築きましょう。
- 病気のリスク: 毎日の健康チェック(フン、食欲、元気さなど)を欠かさず行いましょう。鳥を診てくれる動物病院を事前に探し、定期健診を受けることも病気の早期発見につながります。
- 温度管理: 温湿度計を設置して常に確認します。タイマー付きのペットヒーターやエアコンなどを活用し、できるだけ自動で温度管理ができるように工夫すると負担が減ります。
- 放鳥の安全: 放鳥する部屋を決めて、事前に危険なものがないか徹底的にチェックします。放鳥中は必ず目を離さないようにしましょう。
- 旅行や外出: 信頼できる預け先(家族、友人、鳥に慣れたペットシッター、ペットホテルなど)を、普段から探しておくことが重要です。
- 長期的な責任: 飼う前に家族全員でよく話し合い、将来のライフプランの変化があっても最後まで責任を持って飼い続けられるか、真剣に考えましょう。
これらの工夫を取り入れることで、大変だと感じる部分を少しでも減らし、文鳥との豊かな生活を送る助けになるでしょう。
「困ったな」と思うことがあった時、「どうすれば解決できるかな?」と前向きに考える姿勢が大切です。



後悔しないための心構え
文鳥をお迎えしてから「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないためには、飼い始める前の心構えが非常に重要です。
文鳥を飼うということは、一つの大切な命を預かるという大きな責任を負うことであり、その特性や大変な面を十分に理解し、最後まで愛情を持って世話をする覚悟が求められます。
生き物を飼うということ
生き物と一緒に暮らすということは、楽しいことばかりではありません。
- 大変なこと(毎日の世話、掃除、費用など)
- 思い通りにいかないこと(懐かない、病気になるなど)
これらが必ずある、ということを理解しておく必要があります。
文鳥は、感情を持った生き物です。
ぬいぐるみやおもちゃのように、こちらの都合の良い時だけ可愛がる、というわけにはいきません。
病気もしますし、時には飼い主さんを困らせるような行動をとることもあります。
そのすべてを受け入れ、向き合っていく覚悟が必要です。
衝動買いを避ける
ペットショップで愛らしい文鳥の雛を見て、「可愛い!飼いたい!」とすぐに決めてしまうのは避けましょう。
衝動的にお迎えしてしまうと、後で「やっぱり無理だった」となりかねません。
一度家に帰り、冷静になって考え直す時間を持つことが大切です。
- 文鳥の飼育に関する情報を十分に集める
- デメリット(大変な面)をしっかり理解する
- 本当にご自身の生活環境で飼えるのか
- 家族全員の同意は得られているか
これらをじっくり検討しましょう。
デメリットを受け入れる覚悟
これまで見てきたような大変な面について、
- 「自分にとっては、それほど大きな問題ではない」と思えるか
- 「大変そうだけど、工夫して乗り越えられそうだ」と考えられるか
ご自身に問いかけてみてください。
また、
- もし手乗りになってくれなくても、その子の個性として愛せるか
- さえずりが上手じゃなくても、可愛いと思えるか
- 病気になった時に、時間やお金をかけて看病する覚悟があるか
など、完璧を求めず、思い通りにならないことも多いと理解しておく必要があります。
文鳥の寿命は長く、10年以上一緒に暮らすことも珍しくありません。
その長い間には、飼い主さん自身の環境が変わることもあるでしょう。
それでも最後まで責任を持って飼い続けるという強い意志が不可欠です。
安易な気持ちで飼い始め、途中で手放してしまうようなことは、絶対にあってはなりません。
これらの心構えを持って文鳥をお迎えすれば、きっと後悔することなく、素晴らしい関係を築いていけるはずです。



初心者におすすめの飼育グッズ
文鳥を初めてお迎えする場合、何を揃えたら良いか迷うかもしれませんね。
でも、ご安心ください。
文鳥が安全で快適に暮らすために最低限必要な基本的な飼育グッズを最初にしっかり揃えることが、文鳥との新しい生活をスムーズに始めるための大切な第一歩になります。
これらのグッズは、文鳥の健康や安全、ストレスの軽減に直接関わってきます。
ケージ・用品類:お家と生活必需品
まずは、文鳥のお家となるケージと、その中で使う基本的な用品を揃えましょう。
- ケージ:
- 文鳥が動き回れる十分な広さがあるもの
- 掃除がしやすいシンプルな構造の角型がおすすめ
- 網目の幅(ピッチ)は1cm~1.2cm程度のもの(すり抜け防止)
- 止まり木:
- 足の運動になるよう、太さや材質の違うものを複数本
- 自然木などがおすすめ(爪が削れすぎるサンドパーチは避ける)
- 水浴び容器:
- 文鳥は水浴びが大好きなので必須
- ケージ内に設置できるタイプや外付けタイプがある
- 保温器具:
- 特に冬場や、雛、老鳥、病鳥には必須
- ペット用ヒーター(パネルタイプ、電球タイプなど)
- 温度管理がしやすいサーモスタット付きが安心
- 温度計・湿度計:
- ケージの近くに設置し、常に適切な環境か確認する
- キャリーケース:
- 通院や移動の際に必要
食事関連:毎日のごはんとおやつ
次に、毎日の食事に必要なものを準備します。
- 餌入れ・水入れ:
- ケージにしっかり固定できるもの
- ひっくり返されにくく、洗いやすい陶器製などが衛生的
- 主食:
- 栄養バランスの取れたペレット、または皮付きの混合シード
- 文鳥の種類や年齢に合ったものを選ぶ
- 副食(シード食の場合):
- 青菜(小松菜、豆苗など)
- ボレー粉(カキの殻、カルシウム補給)
- これらはシードだけでは不足しがちな栄養を補うために必要
これらの用品を最初にきちんと揃えることで、文鳥は快適な環境で新しい生活をスタートできますし、飼い主さんも安心して日々のお世話を始めることができます。
適切な用品を選ぶことは、後々のトラブルを防ぎ、文鳥の健康を守るための大切な「投資」だと考えましょう。



文鳥を飼うデメリットと後悔しない飼い方まとめ
最後にこの記事の重要ポイントをまとめます。
- 文鳥は小さな体に反して鳴き声が大きく響くことがある
- 初期費用や毎月の維持費が意外と高額になることがある
- 毎日の餌やり、水交換、掃除が必須で手間がかかる
- 必ずしも全ての文鳥が懐くわけではない
- 文鳥は体調不良を隠すため病気の発見が遅れやすい
- 鳥を診られる動物病院が少なく、治療費が高額になりやすい
- 季節ごとにこまめな温度管理が必要となる
- 放鳥中に事故が起きやすく、安全対策が欠かせない
- 長期間の旅行や外泊が難しくなる
- 文鳥は10年以上生きることもあるため、長期にわたる責任が伴う
- 老鳥になった際には介護が必要になる場合がある
- 文鳥の個性を理解し、受け入れる柔軟な心構えが必要である
文鳥を飼う際には、かわいらしさだけでなく、日々のお世話や環境管理、長期的な責任をしっかり考えることが大切です。
デメリットを正しく理解し、それでも一緒に暮らしたいと思えるかを見極めることが、後悔しない飼育への第一歩となります!